KNOW THE LEDGE / ART BREAK - DERRICK ADAMS

UNIONを形創る様々なカルチャーやブランド、パーソナリティにスポットを当て深掘りして紹介する連載企画コンテンツ「KNOW THE LEDGE」。

今回はLAは GAGOSIAN ギャラリーにてエキシビジョン「Come as You Are」を現在開催している造形作家 DERRICK ADAMS(デリック・アダムス)にフォーカス。現代のブラックカルチャーをアートを通して表現することを目的としライフスタイルを題材にし、人物の表情を多面的に描くペインティング作品をメインに、コラージュや彫刻、ライブパフォーマンスなど多様な手法を用いて創作を続けている。今日では全米各地にパブリックアートとして作品が設置されているデリックのこれまでの創作活動と、今回 GAGOSIAN でのエキシビジョン開催を記念してリリースされるコラボレーション・プロダクトを紹介する。



Photo: Emil Horowitz

黒人が何の先入観や偏見を持たれずに単なる人間でいられることをどうやったら伝えられるのか。エンターテイメントではなく、1人の人間としてそこに存在し、現実社会で生を全うしているだけであることを。
— デリック・アダムス

What can I reveal that has not been shown? Black people—not entertaining, just being, living. Letting people deal with that as reality.
— Derrick Adams

デリック・アダムスは1970年にボルチモアに生まれ、その後NYへ移住、1996年にプラット大学からBFAを、2003年にはコロンビア大学でMFAを取得し、その後も多くの教育職を務め現在はCUNY ブルックリン校にてヴィジュアル・メディア・演技芸術学部でそれぞれ助教授を務めている。

彼のインスタレーション作品「Sanctuary」は、2018年にニューヨークのMuseum of Arts and Designで初めて展示された。これは20世紀中盤、白人以外のマイノリティーに対し、法的に規定された差別が拡がっていた時代に、ブラックの人々に向けて作成されたロードトリップガイドブック「The Negro Motorist Green Book」から影響を受けた作品。ブラックアメリカンとして、白人優位社会であるアメリカを旅する経験と、真の意味での安全とリラクゼーションを表す考えを再構築した作品であった。




Sanctuary (2018)
Photo by Jenna Bascom

その後の「Floaters paintings」(2016年-2020年)においては様々な浮き輪を使って水辺でリラックスしている黒人の姿を描き、リラックスする行為自体が黒人コミュニティによって浸透し、受け入れられたとき、それ自体が黒人コミュニティとして政治的に意味のある行為であり、進歩であると主張している。続いてニューヨークのロックフェラーセンターに設置された遊べる遊具のユニコーンのインスタレーション作品「Funtime Unicorns」(2022年)を発表した。



Floater 80 (2018)
Hudson River Museum



Funtime Unicorns (2022)
Rockefeller Center, New York
Photo by Emil Horowitz / courtesy of Art Production Fund



また現在進行中のプロジェクト「Style Variation Paintings」では、クリーブランド美術館での展示「LOOKS」(2021年-2022年)と同様に女性のヘアやメイクにフォーカスし、自己装飾の変容力と表現力を称賛した作品を展示し、今回のエキシビジョンでは、この「Style Variation paintings」の着想を得た、自身のブルックリンのスタジオ近くにある美容品店のウィッグを飾るマネキンヘッドのディスプレイをモチーフにした作品、「Lookie Loos」を発表している。



STYLE VARIATIONS (2022)
Salon 94 89th Street, New York



Lookie Loos (2022)
Photo by New Document



アダムスは近年パブリックアートプロジェクトにも注力している。「Around the Way」(2019年)は、ブルックリンのLIRRノーストランドアベニューステーションのMTAアーツ&デザインによるコミッション作品で、色鮮やかなカラーガラスで制作された85枚のパネルは、地域の多様性と活気を伝えるために、人物と自然の関係性と建築的要素を融合させている。2021年には、彼はミルウォーキー美術館でのパノラマの93フィートの壁画と彫刻のインスタレーション作品「Our Time Together」を完成させ、都市部のブラックコミュニティの各世代毎の集まりの場を表現し、歴史的な写真とダイナミックな人物を組み合わせて、過去と現在の連続性を描写した作品となっている。



Around the Way (2019)
LIRR Nostrand, New York
Photo by Patrick Cashin

そしてMOMA ニューヨーク近代美術館(2021年-2022年)に向けて制作されたインスタレーションは、1990年代のブラックムービーのクラシック作品「Juice」「Set It Off」のビルボードの広告とその前に車が通り過ぎる風景を描いており、ポップカルチャーが現代の現実にどのように浸透しているかを表現されている。また「The City Is My Refuge」は、2023年にペンステーションの上層コンコース全体に設置された、アムトラックのアートプログラムによるコミッション作品で、人間性と自然界を結びつける濃密な植物模様から浮かび上がる抽象的な顔を提示する人間と自然界を結びつきを表現する作品となっている。



The City Is My Refuge (2023)
Photo by David Plakke

「Motion Picture Paintings」シリーズ(2020年-2022年)は、2023年にニューヨークのFLAG Foundationで開催された「I Can Show You Better Than I Can Tell You」のメインとなっており、各作品は映画や音楽などのカルチャーが身近に存在する人々の日常の瞬間を切り取って組み合わされた作品となっている。映画的な構成でスタイライズされた人物と感情豊かなフレーズを並べ、ブラックカルチャーの理想と現実の両方を探求し、どのようにアートがアイデンティティを形成するかを表現した作品となっている。



I Can Show You Better Than I Can Tell You (2023)
Photo by Steven Robert

2022年にはアダムスは「Charm City Cultural Cultivation」を設立、自分が生まれ育ったボルチモア市の未だサービスの行き届かないコミュニティをサポートし、奨励するための組織で、「The Last Resort Artist Retreat」(ブラックのクリエイターのための滞在セラピープログラム)、地元のアーカイブプロジェクトのデータを収集、保存し、保護する共同スペースである「The Black Baltimore Digital Database」、そして2017年1月に始まったブラックの女性作家が集まるオンラインコミュニティで、その後、対面の執筆ワークショップ、作家のサークル、指導、サポートを支援する「Zora's Den」などが提供され、これからを形成する世代のブラックのアーティストをサポートしている。

今回 UNION では、DERRICK ADAMSのエキシビジョン開催をセレブレートし作家とコラボレートしたTシャツシリーズを発売。DA x UNION SHOW TEE は、2020年に発表されたStyle Variation 3 (High Top)をモチーフにしたデザイン。前述のStyle Variation paintings シリーズと同様に人物を多面的に描いたアートをフィーチャー。一方、DA x UNION SHOW TEEは、今回の GAGOSIAN でのエキシビジョンでも展示のある「Be the Table」から背面にショートケーキをレイアウト、フロントにはコラボレーションの証としてリボンとフロントマンを施した記念作品。



Be the Table (2023)



Style Variation 3 High Top (2020)

UNION ORIGINAL(ユニオンオリジナル)|DA X UNION  SHOW TEE(DA X ユニオン ショウティー)|【公式通販 UNION TOKYO】|ユニオントーキョー
DERRICK ADAMS X UNION SHOW TEE
¥8,800
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UNION ORIGINAL(ユニオンオリジナル)|DA X UNION  ART TEE(DA X ユニオン アートティー)|【公式通販 UNION TOKYO】|ユニオントーキョー
DERRICK ADAMS X UNION ART TEE
¥8,800
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RELEASE DATE
2023/9/26 (Tue)

RELEASE STORE
UNION TOKYO ONLINE STORE:9AM JST
UNION TOKYO STORE OPENING HOUR:11AM JST
UNION OSAKA STORE OPENING HOUR:11AM JST


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UNIONを形創る様々なカルチャーやブランド、パーソナリティにスポットを当て深掘りして紹介する連載企画コンテンツ「KNOW THE LEDGE」。

今回はLAは GAGOSIAN ギャラリーにてエキシビジョン「Come as You Are」を現在開催している造形作家 DERRICK ADAMS(デリック・アダムス)にフォーカス。現代のブラックカルチャーをアートを通して表現することを目的としライフスタイルを題材にし、人物の表情を多面的に描くペインティング作品をメインに、コラージュや彫刻、ライブパフォーマンスなど多様な手法を用いて創作を続けている。今日では全米各地にパブリックアートとして作品が設置されているデリックのこれまでの創作活動と、今回 GAGOSIAN でのエキシビジョン開催を記念してリリースされるコラボレーション・プロダクトを紹介する。



Photo: Emil Horowitz

黒人が何の先入観や偏見を持たれずに単なる人間でいられることをどうやったら伝えられるのか。エンターテイメントではなく、1人の人間としてそこに存在し、現実社会で生を全うしているだけであることを。
— デリック・アダムス

What can I reveal that has not been shown? Black people—not entertaining, just being, living. Letting people deal with that as reality.
— Derrick Adams

デリック・アダムスは1970年にボルチモアに生まれ、その後NYへ移住、1996年にプラット大学からBFAを、2003年にはコロンビア大学でMFAを取得し、その後も多くの教育職を務め現在はCUNY ブルックリン校にてヴィジュアル・メディア・演技芸術学部でそれぞれ助教授を務めている。

彼のインスタレーション作品「Sanctuary」は、2018年にニューヨークのMuseum of Arts and Designで初めて展示された。これは20世紀中盤、白人以外のマイノリティーに対し、法的に規定された差別が拡がっていた時代に、ブラックの人々に向けて作成されたロードトリップガイドブック「The Negro Motorist Green Book」から影響を受けた作品。ブラックアメリカンとして、白人優位社会であるアメリカを旅する経験と、真の意味での安全とリラクゼーションを表す考えを再構築した作品であった。



Sanctuary (2018)
Photo by Jenna Bascom

その後の「Floaters paintings」(2016年-2020年)においては様々な浮き輪を使って水辺でリラックスしている黒人の姿を描き、リラックスする行為自体が黒人コミュニティによって浸透し、受け入れられたとき、それ自体が黒人コミュニティとして政治的に意味のある行為であり、進歩であると主張している。続いてニューヨークのロックフェラーセンターに設置された遊べる遊具のユニコーンのインスタレーション作品「Funtime Unicorns」(2022年)を発表した。



Floater 80 (2018)
Hudson River Museum



Funtime Unicorns (2022)
Rockefeller Center, New York
Photo by Emil Horowitz / courtesy of Art Production Fund



また現在進行中のプロジェクト「Style Variation Paintings」では、クリーブランド美術館での展示「LOOKS」(2021年-2022年)と同様に女性のヘアやメイクにフォーカスし、自己装飾の変容力と表現力を称賛した作品を展示し、今回のエキシビジョンでは、この「Style Variation paintings」の着想を得た、自身のブルックリンのスタジオ近くにある美容品店のウィッグを飾るマネキンヘッドのディスプレイをモチーフにした作品、「Lookie Loos」を発表している。



STYLE VARIATIONS (2022)
Salon 94 89th Street, New York



Lookie Loos (2022)
Photo by New Document



アダムスは近年パブリックアートプロジェクトにも注力している。「Around the Way」(2019年)は、ブルックリンのLIRRノーストランドアベニューステーションのMTAアーツ&デザインによるコミッション作品で、色鮮やかなカラーガラスで制作された85枚のパネルは、地域の多様性と活気を伝えるために、人物と自然の関係性と建築的要素を融合させている。2021年には、彼はミルウォーキー美術館でのパノラマの93フィートの壁画と彫刻のインスタレーション作品「Our Time Together」を完成させ、都市部のブラックコミュニティの各世代毎の集まりの場を表現し、歴史的な写真とダイナミックな人物を組み合わせて、過去と現在の連続性を描写した作品となっている。



Around the Way (2019)
LIRR Nostrand, New York
Photo by Patrick Cashin

そしてMOMA ニューヨーク近代美術館(2021年-2022年)に向けて制作されたインスタレーションは、1990年代のブラックムービーのクラシック作品「Juice」「Set It Off」のビルボードの広告とその前に車が通り過ぎる風景を描いており、ポップカルチャーが現代の現実にどのように浸透しているかを表現されている。また「The City Is My Refuge」は、2023年にペンステーションの上層コンコース全体に設置された、アムトラックのアートプログラムによるコミッション作品で、人間性と自然界を結びつける濃密な植物模様から浮かび上がる抽象的な顔を提示する人間と自然界を結びつきを表現する作品となっている。



Around the Way (2019)
LIRR Nostrand, New York
Photo by Patrick Cashin

「Motion Picture Paintings」シリーズ(2020年-2022年)は、2023年にニューヨークのFLAG Foundationで開催された「I Can Show You Better Than I Can Tell You」のメインとなっており、各作品は映画や音楽などのカルチャーが身近に存在する人々の日常の瞬間を切り取って組み合わされた作品となっている。映画的な構成でスタイライズされた人物と感情豊かなフレーズを並べ、ブラックカルチャーの理想と現実の両方を探求し、どのようにアートがアイデンティティを形成するかを表現した作品となっている。



I Can Show You Better Than I Can Tell You (2023)
Photo by Steven Robert

2022年にはアダムスは「Charm City Cultural Cultivation」を設立、自分が生まれ育ったボルチモア市の未だサービスの行き届かないコミュニティをサポートし、奨励するための組織で、「The Last Resort Artist Retreat」(ブラックのクリエイターのための滞在セラピープログラム)、地元のアーカイブプロジェクトのデータを収集、保存し、保護する共同スペースである「The Black Baltimore Digital Database」、そして2017年1月に始まったブラックの女性作家が集まるオンラインコミュニティで、その後、対面の執筆ワークショップ、作家のサークル、指導、サポートを支援する「Zora's Den」などが提供され、これからを形成する世代のブラックのアーティストをサポートしている。

今回 UNION では、DERRICK ADAMSのエキシビジョン開催をセレブレートし作家とコラボレートしたTシャツシリーズを発売。DA x UNION SHOW TEE は、2020年に発表されたStyle Variation 3 (High Top)をモチーフにしたデザイン。前述のStyle Variation paintings シリーズと同様に人物を多面的に描いたアートをフィーチャー。一方、DA x UNION SHOW TEEは、今回の GAGOSIAN でのエキシビジョンでも展示のある「Be the Table」から背面にショートケーキをレイアウト、フロントにはコラボレーションの証としてリボンとフロントマンを施した記念作品。




STYLE VARIATIONS (2022)
Salon 94 89th Street, New York



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2023/9/26 (Tue)

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