KNOW THE LEDGE / ART BREAK - PATRICK MARTINEZ

UNIONを形創る様々なカルチャーやブランド、パーソナリティにスポットを当て深掘りして紹介する連載企画コンテンツ「KNOW THE LEDGE」。いつの時代もアーティストは作品表現を通じて、自分達の居場所を見つけ出そうとし現状を打破しようとしている。アメリカ・ロサンゼルスでもそれは同じだ。

今回フォーカスするのはヒップホップやウォールアートといったグラフィティーアートをバックボーンに、ドローイングやネオンアートを制作するアーティスト・PATRICK MARTINEZ(パトリック・マルティネス)。彼はカリフォルニア州パサディナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインにて美術を学んだ後、ロサンゼルスやサンフランシスコ、ニューヨーク、オランダなど国内外のギャラリーに作品を展示するほか、ストリートブランドともコラボレーションをするなど、幅広い分野で活躍中だ。現在はロサンゼルスのダウンタウンにある美術館、THE BROAD(ザ・ブロード)で昨年から始まったエキシビジョン「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」に作品を展示している。今回はパトリック・マルティネスのこれまでの功績を振り返りながら、彼の作品が展示されているロサンゼルスにある新感覚の私設美術館、ザ・ブロードを取り上げたい。



Photo: Johanna Brinckman

パトリック・マルティネスはロサンゼルスの郊外あるサンガブリエルバレーで、ネイティブアメリカン、メキシコ、フィリピンといった多様な文化を背景に、1980年に生まれた。そのような背景も影響してか独特の視点を持ったパトリックは、ヒップホップやウォールアートに触発されながらアートの感性を養い、ドローイングやネオンアートなどの作品を通じて社会批判や風刺といったメッセージも投げかけてきた。

その代表的な作品のひとつに、2022年に開催されたアートフェア「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」に出展したネオンアート作品がある。ここではテキストベースのネオンアートで、“I don't see any American dream / I see an American nightmare(アメリカンドリームなんて見えない/アメリカの悪夢が見える)”といった作品や、“ABORT SCOTUS(米国最高裁判所を中絶せよ)”と書かれた作品など、まさに国家に対しての強い批判を帯びた作品を展示している。



Photo: Johanna Brinckman

また現在開催中の「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」でもネオンアートを展示しており、黒人解放運動指導者のマルコムXにインスパイアされた作品や、ポリティカルなメッセージを内包した“They Tried to Bury Us,They Didn’t Know We Were Seeds(私たちが種子であることを知らず、埋葬しようとした)”といった作品も出展している。



「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」(2023)
Photo: Joshua White

さらに「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」ではネオンアート以外にウォールアート「Weeping Warrior(泣く戦士)」を展示。こちらはドローイングやネオンの手法に加え、スプレー、セラミックタイル、ロープなど、多種多様な素材を使って作品を制作している。これは蛍光色の中にいる戦士がそうであるように、大気汚染に苦しむロサンゼルスが抱える問題に端を発した作品となっている。



「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」(2023)
Photo: Joshua White

4月3日からはテキサスにある現代美術館DALLAS CONTERMPORARY(ダラス・コンテンポラリー)で、「patrick martinez: histories」と題した大規模な個展が開催されるパトリック・マルティネス。この個展ではこれまでのネオン作品などに加えて新作も展示される予定で、絵画も出展される。彼が描く絵画は、アメリカ先住民やラテンアメリカ、ヒスパニック、フィリピン系移民など、自身のルーツも含めたさまざまな文化の影響を受けている。この個展でもパトリック・マルティネスは、現代のアメリカが抱えるさまざま不平等な問題にフォーカスを当て、我々に提示しようとしている。



「patrick martinez: histories」(2024)
Photo: Joshua White

そして最後に、UNIONがショップを構えるロサンゼルスにあって、現在「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」を開催している美術館、ザ・ブロードについても触れておきたい。ザ・ブロードは2015年に実業家であるEli and Edythe Broad(イーライ&エディス・ブロード)夫妻によってロサンゼルス現代美術館の近くに作られた私設美術館だ。入場料が無料ということもあり、オープン以来アートスポットとして高い人気を得ている。館内にはANDY WARHOL(アンディ・ウォーホル)やROY LICHTENSTEIN(ロイ・リキテンスタイン)、JEAN-MICHEL BASQUIAT(ジャン=ミシェル・バスキア)、草間彌生など、夫妻が約50年にわたり集められたコレクションが展示されている。なお美術館のデザインを手がけているのは、デザインスタジオDILLER SCOFIDIO + RENFRO(ディラー・スコフィディオ+レンフロ)のELIZABETH DILLER(エリザベス・ディラー)によるもので、個性的でユニークなフォルムでも注目を集めている。





Photo: Lenz Fotos

このように膨大なコレクションとユニークな外観のザ・ブロードだが、その展開はそれだけにとどまらない。1月27日にはパンクやラップ、ジャズ、ノイズ、そして新世代のフィリピン系アーティストなど、ロサンゼルスで産声を上げた音楽にもフォーカスを当てたフェスティバル「L.A. Intersections」を開催した。



こちらはチケット制で有料だったが、美術作品だけに捉われない姿勢は、さまざまなカルチャーを掘り下げながらリンクしていくUNIONとも共通しているのではないだろうか。

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UNIONを形創る様々なカルチャーやブランド、パーソナリティにスポットを当て深掘りして紹介する連載企画コンテンツ「KNOW THE LEDGE」。いつの時代もアーティストは作品表現を通じて、自分達の居場所を見つけ出そうとし現状を打破しようとしている。アメリカ・ロサンゼルスでもそれは同じだ。

今回フォーカスするのはヒップホップやウォールアートといったグラフィティーアートをバックボーンに、ドローイングやネオンアートを制作するアーティスト・PATRICK MARTINEZ(パトリック・マルティネス)。彼はカリフォルニア州パサディナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインにて美術を学んだ後、ロサンゼルスやサンフランシスコ、ニューヨーク、オランダなど国内外のギャラリーに作品を展示するほか、ストリートブランドともコラボレーションをするなど、幅広い分野で活躍中だ。現在はロサンゼルスのダウンタウンにある美術館、THE BROAD(ザ・ブロード)で昨年から始まったエキシビジョン「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」に作品を展示している。今回はパトリック・マルティネスのこれまでの功績を振り返りながら、彼の作品が展示されているロサンゼルスにある新感覚の私設美術館、ザ・ブロードを取り上げたい。



Photo: Johanna Brinckman

パトリック・マルティネスはロサンゼルスの郊外あるサンガブリエルバレーで、ネイティブアメリカン、メキシコ、フィリピンといった多様な文化を背景に、1980年に生まれた。そのような背景も影響してか独特の視点を持ったパトリックは、ヒップホップやウォールアートに触発されながらアートの感性を養い、ドローイングやネオンアートなどの作品を通じて社会批判や風刺といったメッセージも投げかけてきた。

その代表的な作品のひとつに、2022年に開催されたアートフェア「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」に出展したネオンアート作品がある。ここではテキストベースのネオンアートで、“I don't see any American dream / I see an American nightmare(アメリカンドリームなんて見えない/アメリカの悪夢が見える)”といった作品や、“ABORT SCOTUS(米国最高裁判所を中絶せよ)”と書かれた作品など、まさに国家に対しての強い批判を帯びた作品を展示している。



Photo: Johanna Brinckman

また現在開催中の「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」でもネオンアートを展示しており、黒人解放運動指導者のマルコムXにインスパイアされた作品や、ポリティカルなメッセージを内包した“They Tried to Bury Us,They Didn’t Know We Were Seeds(私たちが種子であることを知らず、埋葬しようとした)”といった作品も出展している。



「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」(2023)
Photo: Joshua White

さらに「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」ではネオンアート以外にウォールアート「Weeping Warrior(泣く戦士)」を展示。こちらはドローイングやネオンの手法に加え、スプレー、セラミックタイル、ロープなど、多種多様な素材を使って作品を制作している。これは蛍光色の中にいる戦士がそうであるように、大気汚染に苦しむロサンゼルスが抱える問題に端を発した作品となっている。



「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」(2023)
Photo: Joshua White

4月3日からはテキサスにある現代美術館DALLAS CONTERMPORARY(ダラス・コンテンポラリー)で、「patrick martinez: histories」と題した大規模な個展が開催されるパトリック・マルティネス。この個展ではこれまでのネオン作品などに加えて新作も展示される予定で、絵画も出展される。彼が描く絵画は、アメリカ先住民やラテンアメリカ、ヒスパニック、フィリピン系移民など、自身のルーツも含めたさまざまな文化の影響を受けている。この個展でもパトリック・マルティネスは、現代のアメリカが抱えるさまざま不平等な問題にフォーカスを当て、我々に提示しようとしている。



「patrick martinez: histories」(2024)
Photo: Joshua White

そして最後に、UNIONがショップを構えるロサンゼルスにあって、現在「Desire, Knowledge, and Hope (with Smog)」を開催している美術館、ザ・ブロードについても触れておきたい。ザ・ブロードは2015年に実業家であるEli and Edythe Broad(イーライ&エディス・ブロード)夫妻によってロサンゼルス現代美術館の近くに作られた私設美術館だ。入場料が無料ということもあり、オープン以来アートスポットとして高い人気を得ている。館内にはANDY WARHOL(アンディ・ウォーホル)やROY LICHTENSTEIN(ロイ・リキテンスタイン)、JEAN-MICHEL BASQUIAT(ジャン=ミシェル・バスキア)、草間彌生など、夫妻が約50年にわたり集められたコレクションが展示されている。なお美術館のデザインを手がけているのは、デザインスタジオDILLER SCOFIDIO + RENFRO(ディラー・スコフィディオ+レンフロ)のELIZABETH DILLER(エリザベス・ディラー)によるもので、個性的でユニークなフォルムでも注目を集めている。




Photo: Lenz Fotos

このように膨大なコレクションとユニークな外観のザ・ブロードだが、その展開はそれだけにとどまらない。1月27日にはパンクやラップ、ジャズ、ノイズ、そして新世代のフィリピン系アーティストなど、ロサンゼルスで産声を上げた音楽にもフォーカスを当てたフェスティバル「L.A. Intersections」を開催した。


こちらはチケット制で有料だったが、美術作品だけに捉われない姿勢は、さまざまなカルチャーを掘り下げながらリンクしていくUNIONとも共通しているのではないだろうか。

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