KNOW THE LEDGE / TOOLS TOUR : #07 VICK / tokyovitamin

必需品は、鏡よりも忠実かつ奥行きをもって自身を映し出す。趣味嗜好はもとより、そのラインアップからはライフスタイルやコミュニティも垣間見えるのだ。

クリエイターたちの仕事道具や携帯するアイテムから様々なエピソードを紐解く「Tools Tour」の第7回は、東京の音楽シーンにおける最重要コレクティブ「tokyovitamin(トーキョービタミン)」の主宰、Vickが登場。

ニューヨークで生まれ育ったVickは、2016年に東京に移り住んでまもなく、Kenchan、Duke of Harajukuなどと共に「tokyovitamin」を結成。日本では例を見ないグローバルなインディーレーベルは、類稀なキュレーションセンスとジャンルレスな知見によってコミュニティからの厚い信頼を獲得し、独自開催するライブイベントやポップアップは昼夜問わず、多くの人で賑わいを見せる。

以下では「tokyovitamin」と「UNION TOKYO」のカプセルコレクションリリースに伴い、ストアに訪れたVickのカバンの中身から、同氏の交流関係や「tokyovitamin」の歩みに迫る。
UNION TOKYO X TOKYOVITAMIN BASKETBALL CAPSULE COLLECTION



カバンの中身はいつもこんな感じで雑多ですが、アイコニックな“Pill Keychain(カプセル型キーホルダー)”は「tokyovitamin」を象徴するアイテムです。2020年末に『PORTRATION』で開催したレーベル初のポップアップから存在するもので、コミュニティやフレンズ&ファミリーの証だと思っています。

僕らの歴史は「Jägermeister」のサポートを受けて制作したZINEに詰まっています。これは「tokyovitamin」設立直後の2017年から、パンデミックが直撃する2020年までに開催したイベントのフライヤーを一冊にまとめたものです。左頁は、Boiler RoomとUnder Armourと共に開催したイベント。このタイミングで声をかけて以来、日本に住んでいるJun(Inagawa)が、ステフィン・カリーのイラストを描いてきてくれたのは良い思い出ですね。右頁はCrossfaithの「NITROPOLIS」に参加したときの1枚。現在はGliiicoのマネージメントもしているRewくんに誘ってもらって、いつもとは違う雰囲気・メンバーでの一夜だったので記憶に残っています。

最初のイベントは、『PIZZA SLICE』で開催した「tokyovitamin」の1周年記念イベントで、このときはVERDYが「Wasted Youth」のローズのキャンバスを飾っていました。VERDYとの出会いは、東京に来てからすぐのことですね。「Carrots by Anwar Carrots」と「Rare Panther」が『TOXGO』でポップアップを開催したとき、階段下に絵を描いていたのが他でもない、VERDYでした。一目見てその絵が好きになり、数ヶ月後に『kit gallery』で開催していた展示に足を運んで、彼と仲良くなりました。年上だけど、当時は全然敬語も使えなかったから、ずっとフラットにコミュニケーションを取っている友だちです。アメリカに行ったり、イベントを開催したりするなかで一緒に成長できたし、VERDYと過ごす過程で日本のコミュニティが大きくなっていきました。





音楽と同じく、バスケットボールもまた、僕の価値観を形成したカルチャーのひとつです。なので、アメリカと東京に拠点があり、同じくバスケットボールをひとつのルーツとする「UNION TOKYO」と、こうしてプロジェクトをローンチできることには特別な意味を感じています。

リリースの少し前にはインビテーショナルトーナメントを開催して、いつもバスケットボールしている仲間と、東京で最もバスケのコミュニティを感じる(若月)遼くん率いる『coast 2 coast』チームに参加してもらいました。僕らは定期的にピックアップゲームを開催していますが、これまで夜しか会わなかった友人との新たな遊び場になっているし、バスケットボールを通じて新たなコミュニティもできました。

実は、ルックブックにも特別なエピソードがあって。僕はジョージ・ワシントン大学に通っていたのですが、今回のルックブックのモデルには当時同級生だった友人のDiceにも参加してもらっています。彼は、渡邊雄太選手がジョージ・ワシントンに転校してきたとき、チームから日本語が話せるマネージャーを依頼されて、渡邊選手の通訳とマネージメントを担当していました。渡邊選手はNCAA(全米大学体育協会)ディビジョン1で奨学金を獲得した最初の日本人選手で、在学時代、毎月届くニュースレターにそのことが書いてあったときはとても嬉しい気持ちになりましたね。ジョージ・ワシントンは、2016年にNIT(ナショナル・インビテーション・トーナメント)で初優勝を果たして、ルックブックに登場するリングはチームスタッフとしてDiceがもらったものです。このようなストーリーがあって、アイテムに採用しているネイビーは、僕とDiceの母校であるジョージ・ワシントンのチームカラーにオマージュを捧げています。





音楽とバスケットボールは、オーバーラップする部分や共通項がたくさんあります。「UNION TOKYO」とのコラボレーションは、僕のローカルのバスケコミュニティに貢献したいという想いから実現しました。音楽で実現していること同様に、今後バスケが好きな人がもっと増えてきたら嬉しいですね。



About tokyovitamin
東京を拠点とする国際的レーベル。イベントの主催やミックスラジオから始まりDJ、プロデューサー、A&Rなど国内を中心に海外でも様々な形でアーティストとプロジェクトを実現。周りのコミュニティーのアーティストが参加したコンピレーション・アルバムVitamin Blue (2020)とVitamin Yellow (2021)をリリース。またイベントで身内用の Tシャツから始まったブランドとしても海外から注目され若い世代から人気を持ち、ポップアップなどを国内外で行なっている。Verdy、Hysteric Glamour,、Union、Spotify、Boiler Room、 Glo Gangなどともコラボレーションをリリース。

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必需品は、鏡よりも忠実かつ奥行きをもって自身を映し出す。趣味嗜好はもとより、そのラインアップからはライフスタイルやコミュニティも垣間見えるのだ。

クリエイターたちの仕事道具や携帯するアイテムから様々なエピソードを紐解く「Tools Tour」の第7回は、東京の音楽シーンにおける最重要コレクティブ「tokyovitamin(トーキョービタミン)」の主宰、Vickが登場。

ニューヨークで生まれ育ったVickは、2016年に東京に移り住んでまもなく、Kenchan、Duke of Harajukuなどと共に「tokyovitamin」を結成。日本では例を見ないグローバルなインディーレーベルは、類稀なキュレーションセンスとジャンルレスな知見によってコミュニティからの厚い信頼を獲得し、独自開催するライブイベントやポップアップは昼夜問わず、多くの人で賑わいを見せる。

以下では「tokyovitamin」と「UNION TOKYO」のカプセルコレクションリリースに伴い、ストアに訪れたVickのカバンの中身から、同氏の交流関係や「tokyovitamin」の歩みに迫る。
UNION TOKYO X TOKYOVITAMIN BASKETBALL CAPSULE COLLECTION



カバンの中身はいつもこんな感じで雑多ですが、アイコニックな“Pill Keychain(カプセル型キーホルダー)”は「tokyovitamin」を象徴するアイテムです。2020年末に『PORTRATION』で開催したレーベル初のポップアップから存在するもので、コミュニティやフレンズ&ファミリーの証だと思っています。

僕らの歴史は「Jägermeister」のサポートを受けて制作したZINEに詰まっています。これは「tokyovitamin」設立直後の2017年から、パンデミックが直撃する2020年までに開催したイベントのフライヤーを一冊にまとめたものです。左頁は、Boiler RoomとUnder Armourと共に開催したイベント。このタイミングで声をかけて以来、日本に住んでいるJun(Inagawa)が、ステフィン・カリーのイラストを描いてきてくれたのは良い思い出ですね。右頁はCrossfaithの「NITROPOLIS」に参加したときの1枚。現在はGliiicoのマネージメントもしているRewくんに誘ってもらって、いつもとは違う雰囲気・メンバーでの一夜だったので記憶に残っています。

最初のイベントは、『PIZZA SLICE』で開催した「tokyovitamin」の1周年記念イベントで、このときはVERDYが「Wasted Youth」のローズのキャンバスを飾っていました。VERDYとの出会いは、東京に来てからすぐのことですね。「Carrots by Anwar Carrots」と「Rare Panther」が『TOXGO』でポップアップを開催したとき、階段下に絵を描いていたのが他でもない、VERDYでした。一目見てその絵が好きになり、数ヶ月後に『kit gallery』で開催していた展示に足を運んで、彼と仲良くなりました。年上だけど、当時は全然敬語も使えなかったから、ずっとフラットにコミュニケーションを取っている友だちです。アメリカに行ったり、イベントを開催したりするなかで一緒に成長できたし、VERDYと過ごす過程で日本のコミュニティが大きくなっていきました。







音楽と同じく、バスケットボールもまた、僕の価値観を形成したカルチャーのひとつです。なので、アメリカと東京に拠点があり、同じくバスケットボールをひとつのルーツとする「UNION TOKYO」と、こうしてプロジェクトをローンチできることには特別な意味を感じています。

リリースの少し前にはインビテーショナルトーナメントを開催して、いつもバスケットボールしている仲間と、東京で最もバスケのコミュニティを感じる(若月)遼くん率いる『coast 2 coast』チームに参加してもらいました。僕らは定期的にピックアップゲームを開催していますが、これまで夜しか会わなかった友人との新たな遊び場になっているし、バスケットボールを通じて新たなコミュニティもできました。

実は、ルックブックにも特別なエピソードがあって。僕はジョージ・ワシントン大学に通っていたのですが、今回のルックブックのモデルには当時同級生だった友人のDiceにも参加してもらっています。彼は、渡邊雄太選手がジョージ・ワシントンに転校してきたとき、チームから日本語が話せるマネージャーを依頼されて、渡邊選手の通訳とマネージメントを担当していました。渡邊選手はNCAA(全米大学体育協会)ディビジョン1で奨学金を獲得した最初の日本人選手で、在学時代、毎月届くニュースレターにそのことが書いてあったときはとても嬉しい気持ちになりましたね。ジョージ・ワシントンは、2016年にNIT(ナショナル・インビテーション・トーナメント)で初優勝を果たして、ルックブックに登場するリングはチームスタッフとしてDiceがもらったものです。このようなストーリーがあって、アイテムに採用しているネイビーは、僕とDiceの母校であるジョージ・ワシントンのチームカラーにオマージュを捧げています。





音楽とバスケットボールは、オーバーラップする部分や共通項がたくさんあります。「UNION TOKYO」とのコラボレーションは、僕のローカルのバスケコミュニティに貢献したいという想いから実現しました。音楽で実現していること同様に、今後バスケが好きな人がもっと増えてきたら嬉しいですね。



About tokyovitamin
東京を拠点とする国際的レーベル。イベントの主催やミックスラジオから始まりDJ、プロデューサー、A&Rなど国内を中心に海外でも様々な形でアーティストとプロジェクトを実現。周りのコミュニティーのアーティストが参加したコンピレーション・アルバムVitamin Blue (2020)とVitamin Yellow (2021)をリリース。またイベントで身内用の Tシャツから始まったブランドとしても海外から注目され若い世代から人気を持ち、ポップアップなどを国内外で行なっている。Verdy、Hysteric Glamour,、Union、Spotify、Boiler Room、 Glo Gangなどともコラボレーションをリリース。


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