KNOW THE LEDGE / TOOLS TOUR : #10 SHINKNOWNSUKE / ARTIST

UNION TOKYOの「KNOW THE LEDGE」の一環として掲載を続ける「Tools Tour」は、文化人たちの仕事道具や私物から、彼らのアイデンティティや価値観に迫り、クリエイティブに生きるためのヒントを探ってきた。そんなモノを起点とする編集企画は、今回で節目となる10回目を迎える。

SHINKNOWNSUKEは、国内外のストリートカルチャーと強い結びつきのあるグラフィックデザイナー/イラストレーターとして、その作品に見覚えのある人は少なくないだろう。「Nike」や「adidas」をはじめとする世界有数のスポーツブランドから、「MIN-NANO」や「BoTT」という実力派のインディペンデントアカウントまで、共に仕事をしたレーベルは数知れず、根底にあるカウンターカルチャーやユーモラスな視点から作家としても精力的に活動してきた。

必需品から感じる硬質さとは裏腹に、柔らかな物腰で終始笑顔を絶やさずに語るSHINKNOWNSUKE。その一語一句からは、彼のこだわりと、周囲から愛され信頼される理由が滲み出ていた。



小さい頃から絵を描くのは好きだったんですけど、30歳手前までは制作会社でグラフィックデザイナーをしていました。ただそれぐらいの時期から届いた作品をもとにデザインを組む側ではなく、作品を提供する側に立ちたいと思うようになったんですよね。やってもいないことを諦めるのは勿体ないじゃないですか。ここは日本だし、お金がなくなってもバイトで生計を立てることだってできるし。そう思い立って仕事を辞め、かれこれ10年ほど活動を続けています。

今日は僕の身の回りにあったものをパッと集めてみました。デジタルの仕事とアナログの仕事が別れてること、伝わりますかね?僕はデジタルで表現できないことをアナログでやりたいんです。例えば、エアブラシは僕の専門分野ではないですが、エアブラシ特有の強弱はデジタルではなかなか表現できるものではありません。筆の筆跡や色の混ざり方にも同様のことが言えますね。



パソコンの列の一番上にある定規も、プログラミングのフローチャートを書くためのテンプレート用で、他にも用途違いで似たような定規をいくつか持っているんですけど、僕はこれをキャンバスに当てて、ステンシルみたいに使ったりしています。美大卒ではなく本当に独学でここまで来たので、レギュレーションやルールを知らないからこその面白い表現が絶対あると思うんです。

ニューヨークカラーのバンダナは非売品なんですけど、これは昨年開催した個展『Dimly』の際に「MIN-NANO」のゴローさんに作ってもらったSBQバンダナです。現在は非売品のスーベニアとなっていますが、分かる人には分かる言葉を並べました。



ゴローさんとの出会いもたまたまで、当時は「Odd Future」がフリーでMixtapeをリリースしていた頃でした、ある時、自転車がパンクしてしまって「MIN-NANO」に修理をお願いしたら、店内に「Odd Future」のTシャツなどがあって。それをキッカケに話をするようになりました。そういう些細なきっかけで「BEND TOKYO」のゴイくんやSUPPLY の翔くんやチヒロくん、アートユニット「UND」で共に活動しているfaceくんとも繋がっていったりと自分が好きなものを追いかけていたら自然と輪が広がっていく感じでした。本当にくだらない話して友だちになった人もいますし、クリエイターかどうかは微塵も関係ないです(笑)。

卓上にこそ鍵しかないですけれど、車の存在も生活にはなくてはならない存在になりました。4年前まではクルマを持っておらず、一切興味もなかったんですけど、途端に「クルマを持ったことがないまま免許返納したくないな」と思って、リスク背負ってでも所有してみようと。そしたら、すごくいい。思いつきで遠くに行けるなど移動手段としてはもちろんですけど、車中の空間とそこで過ごす時間が独特なんですよね。僕は人と大事な話をするときはクルマの中でしたりするのも好きです。裸の付き合いに近い感覚もあれば、外ではためらう会話も気を遣うことなく話せます。



僕は今でこそ個人の活動と依頼主がいる仕事の二刀流ですが、昔は制作サイドの立場にいたので、どのポジションの人の気持ちも少しは分かるつもりです。仕事は時に意見が食い違って衝突するものですが、どこかで誰かが右往左往しているのは申し訳ないです。直接会ったり、飲みにいったりして、お互いが気持ちの良い着地点を探すことが仕事であるべきだと思うんです。エゴは自分のプロジェクトで吐き出せばいいのかなと思います。仕事はチームワークなので、みんなでどう面白くするかが醍醐味。ヒリヒリした空間はあまり好きではないので、何事も楽しくやりたいですね!



SHINKNOWNSUKE/グラフィックデザイナー・イラストレーター
東京在住のグラフィックデザイナー/アーティスト。2017年にLAで開催された個展を期に活動を本格化。これまでにMIN-NANOやSUPPLY、BEND等、東京を代表するセレクトショップやadidas、Goldwin、BoTT、Butter Goods、Divinities、Nike、thisisneverthat®、SALOMONなど国内外のブランドへグラフィックを提供している。複数のユニットとしての顔も持ち、絵画の展示も定期的に開催するなど精力的に活動している。
http://shinknownsuke.com/

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UNION TOKYOの「KNOW THE LEDGE」の一環として掲載を続ける「Tools Tour」は、文化人たちの仕事道具や私物から、彼らのアイデンティティや価値観に迫り、クリエイティブに生きるためのヒントを探ってきた。そんなモノを起点とする編集企画は、今回で節目となる10回目を迎える。

SHINKNOWNSUKEは、国内外のストリートカルチャーと強い結びつきのあるグラフィックデザイナー/イラストレーターとして、その作品に見覚えのある人は少なくないだろう。「Nike」や「adidas」をはじめとする世界有数のスポーツブランドから、「MIN-NANO」や「BoTT」という実力派のインディペンデントアカウントまで、共に仕事をしたレーベルは数知れず、根底にあるカウンターカルチャーやユーモラスな視点から作家としても精力的に活動してきた。

必需品から感じる硬質さとは裏腹に、柔らかな物腰で終始笑顔を絶やさずに語るSHINKNOWNSUKE。その一語一句からは、彼のこだわりと、周囲から愛され信頼される理由が滲み出ていた。



小さい頃から絵を描くのは好きだったんですけど、30歳手前までは制作会社でグラフィックデザイナーをしていました。ただそれぐらいの時期から届いた作品をもとにデザインを組む側ではなく、作品を提供する側に立ちたいと思うようになったんですよね。やってもいないことを諦めるのは勿体ないじゃないですか。ここは日本だし、お金がなくなってもバイトで生計を立てることだってできるし。そう思い立って仕事を辞め、かれこれ10年ほど活動を続けています。

今日は僕の身の回りにあったものをパッと集めてみました。デジタルの仕事とアナログの仕事が別れてること、伝わりますかね?僕はデジタルで表現できないことをアナログでやりたいんです。例えば、エアブラシは僕の専門分野ではないですが、エアブラシ特有の強弱はデジタルではなかなか表現できるものではありません。筆の筆跡や色の混ざり方にも同様のことが言えますね。



パソコンの列の一番上にある定規も、プログラミングのフローチャートを書くためのテンプレート用で、他にも用途違いで似たような定規をいくつか持っているんですけど、僕はこれをキャンバスに当てて、ステンシルみたいに使ったりしています。美大卒ではなく本当に独学でここまで来たので、レギュレーションやルールを知らないからこその面白い表現が絶対あると思うんです。

ニューヨークカラーのバンダナは非売品なんですけど、これは昨年開催した個展『Dimly』の際に「MIN-NANO」のゴローさんに作ってもらったSBQバンダナです。現在は非売品のスーベニアとなっていますが、分かる人には分かる言葉を並べました。



ゴローさんとの出会いもたまたまで、当時は「Odd Future」がフリーでMixtapeをリリースしていた頃でした、ある時、自転車がパンクしてしまって「MIN-NANO」に修理をお願いしたら、店内に「Odd Future」のTシャツなどがあって。それをキッカケに話をするようになりました。そういう些細なきっかけで「BEND TOKYO」のゴイくんやSUPPLY の翔くんやチヒロくん、アートユニット「UND」で共に活動しているfaceくんとも繋がっていったりと自分が好きなものを追いかけていたら自然と輪が広がっていく感じでした。本当にくだらない話して友だちになった人もいますし、クリエイターかどうかは微塵も関係ないです(笑)。

卓上にこそ鍵しかないですけれど、車の存在も生活にはなくてはならない存在になりました。4年前まではクルマを持っておらず、一切興味もなかったんですけど、途端に「クルマを持ったことがないまま免許返納したくないな」と思って、リスク背負ってでも所有してみようと。そしたら、すごくいい。思いつきで遠くに行けるなど移動手段としてはもちろんですけど、車中の空間とそこで過ごす時間が独特なんですよね。僕は人と大事な話をするときはクルマの中でしたりするのも好きです。裸の付き合いに近い感覚もあれば、外ではためらう会話も気を遣うことなく話せます。



僕は今でこそ個人の活動と依頼主がいる仕事の二刀流ですが、昔は制作サイドの立場にいたので、どのポジションの人の気持ちも少しは分かるつもりです。仕事は時に意見が食い違って衝突するものですが、どこかで誰かが右往左往しているのは申し訳ないです。直接会ったり、飲みにいったりして、お互いが気持ちの良い着地点を探すことが仕事であるべきだと思うんです。エゴは自分のプロジェクトで吐き出せばいいのかなと思います。仕事はチームワークなので、みんなでどう面白くするかが醍醐味。ヒリヒリした空間はあまり好きではないので、何事も楽しくやりたいですね!



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東京在住のグラフィックデザイナー/アーティスト。2017年にLAで開催された個展を期に活動を本格化。これまでにMIN-NANOやSUPPLY、BEND等、東京を代表するセレクトショップやadidas、Goldwin、BoTT、Butter Goods、Divinities、Nike、thisisneverthat®、SALOMONなど国内外のブランドへグラフィックを提供している。複数のユニットとしての顔も持ち、絵画の展示も定期的に開催するなど精力的に活動している。
http://shinknownsuke.com/

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