NIKE AIR FOOTSCAPE WOVEN “Sail and Black”

NIKE AIR FOOTSCAPE WOVEN “Sail and Black”

2000年初頭のNIKEは、ランニングやバスケットボールなどのパフォーマンスとファッション/ライフスタイルに向けたプロダクトのラインナップが明確に区分されるようになった。後者には復刻を通じて歴史をエディケーションする役割を担っており、複数の異なるアーカイブを組み合わせる「ハイブリッド」戦略がアプローチの根底にあった。それは、過去に敬意を払う日本の美意識そのものでもある。ヴィンテージ文化に端を発した90年代のスニーカームーブメントは、裏原宿という独自性の強いカルチャーをミレニアム期に経由することで、斬新なハイテクも懐古的なローテクも「理屈」より「感覚」によって同質化され、ファッションに取り込まれていった。その解像度の低い曖昧なノンバーバルこそ、藤原ヒロシのセンスが中心となって進化していったのである。



AIR FOOTSCAPE WOVENは、2020年までNIKEのCEOを務めたマーク・パーカー、ティンカー・ハットフィールド、藤原ヒロシの3名による「htm」プロジェクトで2005年にデビューした。『Sneaker Tokyo vol.2“Hiroshi Fujiwara”』(マリン企画・SHOES MASTER 編集部 編著)内の言葉を借りれば、これは藤原氏が「ふたつの好きなモデルを組み合わせた」ハイブリッド作品である。1995年に発売されたAIR FOOTSCAPEも、2000年のAIR WOVENも、今となれば普遍的なクラシックだが、当時はその斬新さに目を奪われるものだった。一般的な感覚であれば、そこにハイプなポテンシャルを感じられないものの、藤原ヒロシというフィルターを通して見れば、前者の左右非対称のデザインも、編み込みによるストレッチアッパーも、いとも簡単にファッションアイコンになった。



AIR FOOTSCAPE WOVENの特徴は、アッパーを4枚のパーツに分割し、伸縮性が必要な箇所にウーブン編みを配置したレイアウトにある。もともと日本人の甲高なラストを考慮して設計されたAIR FOOTSCAPEに、さらに履き心地を高めた、足に馴染む構造だ。ウーブンは、AIR HUARACHEのストレッチアッパーを起点とし(厳密にはさらに過去に遡るが)、さらに廃材をなるべく生み出すことなく環境に配慮した、未来を考えたテクノロジーだった。ヴィジュアルの強いインパクトは、デザイン先行よりもフィットを重視。形態が機能に従う、理に叶ったバイブリッドでもある。



あれから約20年が経った今、直接的な体験をしてきたOG世代だけがオリジナルのストーリーで本作をセンチメンタルに解釈するだけでは、AIR FOOTSCAPE WOVENの本当の魅力は伝えきれない。過去のフィルターを取り払って外側に目を向ければ、このデザインには異なるクラフトマンシップと、テキスタイルや模様に感情が宿っている。「Sail and Black」には、ホースヘアレザーにカウ柄のプリントが施された。一手間を費やすことでハイテクをユニークに表現されたシューズは、現代のミニマルで効率的なデザインとはまるで違う、風変わりなアナログさというべきか、ワン&オンリーな雰囲気が漂っている。




未来に向けて何かを残そうとしていたAIR FOOTSCAPE WOVENの2000年代らしいデザインは、<BODE>のエモーショナルな服作りと似たインスピレーションを感じることができる。今回、UNIONが伝えたいスタイルは、ストリートカルチャーを抽出せずに作る、牧歌的でジェンダーレスなムード。キルティングやパッチワークなどを駆使する<BODE>の美的感覚に寄せてみると、新しい魅力が浮かび上がる。



RELEASE DATE
2024/01/19 (FRI)

RELEASE STORE
UNION TOKYO ONLINE STORE:9AM JST
UNION TOKYO/OSAKA STORE OPENING HOUR:11AM JST


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2000年初頭のNIKEは、ランニングやバスケットボールなどのパフォーマンスとファッション/ライフスタイルに向けたプロダクトのラインナップが明確に区分されるようになった。後者には復刻を通じて歴史をエディケーションする役割を担っており、複数の異なるアーカイブを組み合わせる「ハイブリッド」戦略がアプローチの根底にあった。それは、過去に敬意を払う日本の美意識そのものでもある。ヴィンテージ文化に端を発した90年代のスニーカームーブメントは、裏原宿という独自性の強いカルチャーをミレニアム期に経由することで、斬新なハイテクも懐古的なローテクも「理屈」より「感覚」によって同質化され、ファッションに取り込まれていった。その解像度の低い曖昧なノンバーバルこそ、藤原ヒロシのセンスが中心となって進化していったのである。








AIR FOOTSCAPE WOVENは、2020年までNIKEのCEOを務めたマーク・パーカー、ティンカー・ハットフィールド、藤原ヒロシの3名による「htm」プロジェクトで2005年にデビューした。『Sneaker Tokyo vol.2“Hiroshi Fujiwara”』(マリン企画・SHOES MASTER 編集部 編著)内の言葉を借りれば、これは藤原氏が「ふたつの好きなモデルを組み合わせた」ハイブリッド作品である。1995年に発売されたAIR FOOTSCAPEも、2000年のAIR WOVENも、今となれば普遍的なクラシックだが、当時はその斬新さに目を奪われるものだった。一般的な感覚であれば、そこにハイプなポテンシャルを感じられないものの、藤原ヒロシというフィルターを通して見れば、前者の左右非対称のデザインも、編み込みによるストレッチアッパーも、いとも簡単にファッションアイコンになった。




AIR FOOTSCAPE WOVENの特徴は、アッパーを4枚のパーツに分割し、伸縮性が必要な箇所にウーブン編みを配置したレイアウトにある。もともと日本人の甲高なラストを考慮して設計されたAIR FOOTSCAPEに、さらに履き心地を高めた、足に馴染む構造だ。ウーブンは、AIR HUARACHEのストレッチアッパーを起点とし(厳密にはさらに過去に遡るが)、さらに廃材をなるべく生み出すことなく環境に配慮した、未来を考えたテクノロジーだった。ヴィジュアルの強いインパクトは、デザイン先行よりもフィットを重視。形態が機能に従う、理に叶ったバイブリッドでもある。







あれから約20年が経った今、直接的な体験をしてきたOG世代だけがオリジナルのストーリーで本作をセンチメンタルに解釈するだけでは、AIR FOOTSCAPE WOVENの本当の魅力は伝えきれない。過去のフィルターを取り払って外側に目を向ければ、このデザインには異なるクラフトマンシップと、テキスタイルや模様に感情が宿っている。「Sail and Black」には、ホースヘアレザーにカウ柄のプリントが施された。一手間を費やすことでハイテクをユニークに表現されたシューズは、現代のミニマルで効率的なデザインとはまるで違う、風変わりなアナログさというべきか、ワン&オンリーな雰囲気が漂っている。











未来に向けて何かを残そうとしていたAIR FOOTSCAPE WOVENの2000年代らしいデザインは、<BODE>のエモーショナルな服作りと似たインスピレーションを感じることができる。今回、UNIONが伝えたいスタイルは、ストリートカルチャーを抽出せずに作る、牧歌的でジェンダーレスなムード。キルティングやパッチワークなどを駆使する<BODE>の美的感覚に寄せてみると、新しい魅力が浮かび上がる。





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