5ポケットジーンズの様々な名品を組み合わせ1つのデニムに仕上げたジーンズ。60年代の股上の深さ、70年代のデニムの風合い、40年代のステッチカラーの使い分けやポケットの別地スレーキ使い、50年代の腿から裾に向けての自然なテーパードと、どの年代にも属さない不思議なディテールのコンビネーションがこのモデルの特徴。まさにタイムトラベルをして各年代の特徴を混ぜ合わせながら現代的に構築したジーンズ。
このモデルは強い縦落ちが特徴的だが、長いムラや短いムラなど不規則に色々な形状の糸の色落ちが見られるため、1種類の糸でこの複雑な表情を出せない為、番手、ムラ形状などの違う複数の種類の糸を割合を替えて配合し、シャトル織機で織り上げている。当時はおそらく様々なロットの糸が混在して使用されていたのではないかと考えられ、66前期といっても個体差も大きいと予想される。色目に関しては、青味のあるピュア（合成インディゴ100％）を採用。特殊加工にて染め上がったインディゴの色目を何年も倉庫に眠っていたかのような深みのあるデッドストックブルーへと熟成させる加工を施している。

【Unlikely】
日本を代表するセレクトショップ「BEAMS」のクリエイティブディレクターを務めた中田慎介が、2023年に自身のアパレルブランドをスタート。ベーシックでいて天邪鬼。アメリカントラディショナルの"～でなければならない"の美学をベースに、様々な仮説を混ぜ合わせて化学反応させ、ブランドの語源にもなった"ありそうでない"ワードローブを表現している。

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