『UNION TOKYO』の徒歩圏内でありつけるベストディッシュを特集するストア初のグルメ企画、その名も“HOOD’S FOODS”。幸いにも我々のロケーションの半径2km圏内には、裏原全盛期から続く老舗からストリートアイコンの溜まり場となっているショップまで、新旧名店が軒を構えている。
カレー屋『Blakes』に続く連載第2回では、“原宿の台所”と言っても過言ではない東京町中華の雄、『紫金飯店(しきんはんてん)』を訪問した。
昭和41年(1966年)に創業した『紫金飯店』は、その長い歴史のなかで各界の著名人の胃袋を日常的に満たしてきた、自他ともに認める原宿のベストレストランのひとつである。その証明に、店内にはスポーツ選手から俳優、お笑い芸人まで、サイン色紙がズラリと並ぶ。
UNION的『紫金飯店』の看板メニューは、「玉子炒飯」(950円)。“玉チャー”の愛称で親しまれる創業以来の一皿は、炒飯をふわとろの玉子が覆い、初冬の富士山の雪化粧にも負けじと劣らない絶景である。しかし、その美しさに臆することなく、レンゲの入刀は人思いにいくべし。玉子と炒飯の面積を均等に分配することで、口に運ぶたびに幸せの二重奏を堪能できるのだ。
麺党の議員には、「五目やきそば」(1000円)をオススメしたい。永世七冠・羽生善治や史上最年少記録を塗り替え続ける天才・藤井聡太ら、千駄ヶ谷でしのぎを削る将棋のトップ棋士たちの勝負メシとしても知られる一品は、絶妙な塩梅で焼き目を入れた麺の芳ばしさを熱々のあんで閉じ込め、味も食べ応えも抜の群。控えめな黒胡椒のアクセントも憎らしく(もちろんいい意味で)、貴重な衣付きのエビやうずらをどのタイミングで食べるべきか、毎度頭を悩ませながらもノンストップで箸を進めてしまう。
一人での訪問なら、サイドメニューは肉中心の餡がたっぷり詰まった6個入りの「焼餃子」)550円)が鉄板。酢コショウ派の諸君も、『紫金飯店』の餃子は醤油+酢の関東らしい調合が吉だろう。もし、複数で訪れるのであれば、是非「レバニラ炒め」(850円)を。写真からでも伝わる鮮度のいいレバーが主役と思いきや、同店のレバニラはシャキシャキに仕上げられたニラともやしも主張する、立体感のある歯応えが兎に角たまらない。また、春から秋口にかけての限定メニュー「冷やし坦々麺」(800円)は、気持ちの良い清涼感のある味わいに固定ファンが多く、とりわけ夏場にオーダー数が激増する常連たちの大好物だ。
料理もさることながら、ユニフォームも<N.HOOLYWOOD>を主宰するデザイナー・尾花大輔氏によるもの。ご近所さんのご縁から相談をしたところ、ひとつ返事で快諾をしてくれたそうで、「“みんなの食堂”であることと、汗をかいて毎日洗濯するものなので、店での使いやすさを最優先にデザインしていただきました。ロゴの位置や厚み、素材なども本当に細かい微調整を繰り返していただいた自慢のユニフォームです」と、創業者の孫として店を切り盛りする田中喬子さん。
また、二代目店主の田中 基樹さんも「うちは町中華ですから。中国本場系ではなく、日本人が好きで、日本人の舌に合う味付けがいいと思ってやっています。変に調味料にこだわったりせず、日本らしい優しい味を大切にするのが、僕らのスタイルです」と、味付けのこだわりを語る。月替わりの定食メニューも「皆さんが楽しみにしてくださっているので、頑張って考えます」と、どこまでもお客さん思いだ。
『紫金飯店』の優しい味は、胃袋を満たすだけでなく、仕事の緊張さえもほぐしてくれる懐の深さがある。いつも千駄ヶ谷の交差点で待っていてくれるその安心感に、原宿の町全体が助けられているに違いない。
▼紫金飯店
住所:東京都渋谷区神宮前2-35-9原宿リビン 1F
電話番号:03-3404-7785
営業時間:11:00-15:30 (LO15:00
17:30-22:00 (LO21:30/土20:00 (LO19:30
定休日:日・祝
『UNION TOKYO』の徒歩圏内でありつけるベストディッシュを特集するストア初のグルメ企画、その名も“HOOD’S FOODS”。幸いにも我々のロケーションの半径2km圏内には、裏原全盛期から続く老舗からストリートアイコンの溜まり場となっているショップまで、新旧名店が軒を構えている。
カレー屋『Blakes』に続く連載第2回では、“原宿の台所”と言っても過言ではない東京町中華の雄、『紫金飯店(しきんはんてん)』を訪問した。
昭和41年(1966年)に創業した『紫金飯店』は、その長い歴史のなかで各界の著名人の胃袋を日常的に満たしてきた、自他ともに認める原宿のベストレストランのひとつである。その証明に、店内にはスポーツ選手から俳優、お笑い芸人まで、サイン色紙がズラリと並ぶ。
UNION的『紫金飯店』の看板メニューは、「玉子炒飯」(950円)。“玉チャー”の愛称で親しまれる創業以来の一皿は、炒飯をふわとろの玉子が覆い、初冬の富士山の雪化粧にも負けじと劣らない絶景である。しかし、その美しさに臆することなく、レンゲの入刀は人思いにいくべし。玉子と炒飯の面積を均等に分配することで、口に運ぶたびに幸せの二重奏を堪能できるのだ。
麺党の議員には、「五目やきそば」(1000円)をオススメしたい。永世七冠・羽生善治や史上最年少記録を塗り替え続ける天才・藤井聡太ら、千駄ヶ谷でしのぎを削る将棋のトップ棋士たちの勝負メシとしても知られる一品は、絶妙な塩梅で焼き目を入れた麺の芳ばしさを熱々のあんで閉じ込め、味も食べ応えも抜の群。控えめな黒胡椒のアクセントも憎らしく(もちろんいい意味で)、貴重な衣付きのエビやうずらをどのタイミングで食べるべきか、毎度頭を悩ませながらもノンストップで箸を進めてしまう。
一人での訪問なら、サイドメニューは肉中心の餡がたっぷり詰まった6個入りの「焼餃子」)550円)が鉄板。酢コショウ派の諸君も、『紫金飯店』の餃子は醤油+酢の関東らしい調合が吉だろう。もし、複数で訪れるのであれば、是非「レバニラ炒め」(850円)を。写真からでも伝わる鮮度のいいレバーが主役と思いきや、同店のレバニラはシャキシャキに仕上げられたニラともやしも主張する、立体感のある歯応えが兎に角たまらない。また、春から秋口にかけての限定メニュー「冷やし坦々麺」(800円)は、気持ちの良い清涼感のある味わいに固定ファンが多く、とりわけ夏場にオーダー数が激増する常連たちの大好物だ。
料理もさることながら、ユニフォームも<N.HOOLYWOOD>を主宰するデザイナー・尾花大輔氏によるもの。ご近所さんのご縁から相談をしたところ、ひとつ返事で快諾をしてくれたそうで、「“みんなの食堂”であることと、汗をかいて毎日洗濯するものなので、店での使いやすさを最優先にデザインしていただきました。ロゴの位置や厚み、素材なども本当に細かい微調整を繰り返していただいた自慢のユニフォームです」と、創業者の孫として店を切り盛りする田中喬子さん。
また、二代目店主の田中 基樹さんも「うちは町中華ですから。中国本場系ではなく、日本人が好きで、日本人の舌に合う味付けがいいと思ってやっています。変に調味料にこだわったりせず、日本らしい優しい味を大切にするのが、僕らのスタイルです」と、味付けのこだわりを語る。月替わりの定食メニューも「皆さんが楽しみにしてくださっているので、頑張って考えます」と、どこまでもお客さん思いだ。
『紫金飯店』の優しい味は、胃袋を満たすだけでなく、仕事の緊張さえもほぐしてくれる懐の深さがある。いつも千駄ヶ谷の交差点で待っていてくれるその安心感に、原宿の町全体が助けられているに違いない。
▼紫金飯店
住所:東京都渋谷区神宮前2-35-9原宿リビン 1F
電話番号:03-3404-7785
営業時間:11:00-15:30 (LO15:00
17:30-22:00 (LO21:30/土20:00 (LO19:30
定休日:日・祝