KNOW THE LEDGE / INTERVIEW WITH WU YUE

KNOW THE LEDGE / INTERVIEW WITH WU YUE

NIKEとSOULGOODSによるコラボレーションアイテム「HOMESCAPE WOVEN」のローンチイベントが、UNION TOKYOにて開催された。パリ、ロサンゼルスに続き、東京での発表となった今回。会場では、SOULGOODSを率いるアーティスト、WU YUE(ウー・ユエ)氏本人にインタビューを行うことができた。
北京生まれ、パリ育ち。画家である祖父の背中を見て育ち、絵を描くことと、スニーカーへの愛から独自のキャリアを切り拓いてきたWU YUE氏。今回は自身とSOULGOODSのこれまでの歩み、そして完全新規モデルとして開発された「HOMESCAPE WOVEN」に込めた哲学について、たっぷりと語ってもらった。

NIKEとSOULGOODSによるコラボレーションアイテム「HOMESCAPE WOVEN」のローンチイベントが、UNION TOKYOにて開催された。パリ、ロサンゼルスに続き、東京での発表となった今回。会場では、SOULGOODSを率いるアーティスト、WU YUE(ウー・ユエ)氏本人にインタビューを行うことができた。
北京生まれ、パリ育ち。画家である祖父の背中を見て育ち、絵を描くことと、スニーカーへの愛から独自のキャリアを切り拓いてきたWU YUE氏。今回は自身とSOULGOODSのこれまでの歩み、そして完全新規モデルとして開発された「HOMESCAPE WOVEN」に込めた哲学について、たっぷりと語ってもらった。

スニーカーへの愛が導いたSOULGOODSの誕生

WU YUE氏がスニーカーを好きになった原点は、意外にもシンプルなものだった。
「北京で生まれて、絵はずっと描いていた。祖父が画家だったからね。スニーカーもずっと好きだったけど、両親には買うお金がなかったんだ」
だからこそ、自分でスニーカーをデザインする道を選んだ。2009年には、LEBRON JAMES選手が実際にプレーしたことでも知られるバスケットコートのペイントを手がけている。「当時からずっと、いつかこういうことができたらと思っていたんだ」

転機となったのは2013年。オレゴン州ビーバートンのNIKE本社に招待された際、伝説的デザイナーであるTINKER HATFIELD氏と偶然出会う。スニーカーオタクを自認するWU YUE氏は、思わず声をかけ、「20分だけ時間をもらえたら、ポートレートを描かせてほしい」とお願いしたという。その20分は2時間の会話へと発展し、TINKER氏からは「アイデアを市場に出すまで貫き通す方法は?」という問いに対し「ストーリーテリングだよ」という答えをもらったという。
同じ2013年、WU YUE氏は生涯のビジネスパートナーとなるG MING氏と出会う。友人ROCKYの紹介で意気投合した二人は、スニーカー愛を通じて絆を深めていった。数年後、G MING氏が北京でマルチブランドストアをオープンする際、WU YUE氏にロゴデザインを依頼。飛行機に乗る3時間前、その場でスケッチしたロゴこそが「SOULGOODS」の始まりだった。
「SOULGOODSという名前がすごく気に入ったんだ。ただ物を売るだけじゃなくて、“魂”が込められているという意味を持たせたくてね」
北京出身のG MING氏と、パリ育ちの中国系ディアスポラ(出身地ではない場所で定住する人々)であるWU YUE氏。二人の対話⸺時にぶつかり合いながら⸺から生まれたブランドは、「北京から世界へ」を掲げるようになる。パリでの展示会、ロサンゼルスでの発表を経て、東京へ。そして7月11日には、ついに北京へと“帰る(≒帰郷)”ことになるという。
「だからこそ、このプロジェクトは僕にとって、すごく意味のあるものなんだ」

スニーカーへの愛が導いたSOULGOODSの誕生

WU YUE氏がスニーカーを好きになった原点は、意外にもシンプルなものだった。
「北京で生まれて、絵はずっと描いていた。祖父が画家だったからね。スニーカーもずっと好きだったけど、両親には買うお金がなかったんだ」
だからこそ、自分でスニーカーをデザインする道を選んだ。2009年には、LEBRON JAMES選手が実際にプレーしたことでも知られるバスケットコートのペイントを手がけている。「当時からずっと、いつかこういうことができたらと思っていたんだ」

転機となったのは2013年。オレゴン州ビーバートンのNIKE本社に招待された際、伝説的デザイナーであるTINKER HATFIELD氏と偶然出会う。スニーカーオタクを自認するWU YUE氏は、思わず声をかけ、「20分だけ時間をもらえたら、ポートレートを描かせてほしい」とお願いしたという。その20分は2時間の会話へと発展し、TINKER氏からは「アイデアを市場に出すまで貫き通す方法は?」という問いに対し「ストーリーテリングだよ」という答えをもらったという。
同じ2013年、WU YUE氏は生涯のビジネスパートナーとなるG MING氏と出会う。友人ROCKYの紹介で意気投合した二人は、スニーカー愛を通じて絆を深めていった。数年後、G MING氏が北京でマルチブランドストアをオープンする際、WU YUE氏にロゴデザインを依頼。飛行機に乗る3時間前、その場でスケッチしたロゴこそが「SOULGOODS」の始まりだった。
「SOULGOODSという名前がすごく気に入ったんだ。ただ物を売るだけじゃなくて、“魂”が込められているという意味を持たせたくてね」
北京出身のG MING氏と、パリ育ちの中国系ディアスポラ(出身地ではない場所で定住する人々)であるWU YUE氏。二人の対話⸺時にぶつかり合いながら⸺から生まれたブランドは、「北京から世界へ」を掲げるようになる。パリでの展示会、ロサンゼルスでの発表を経て、東京へ。そして7月11日には、ついに北京へと“帰る(≒帰郷)”ことになるという。
「だからこそ、このプロジェクトは僕にとって、すごく意味のあるものなんだ」

完全新規モデルという挑戦⸺「HOMESCAPE WOVEN」誕生の舞台裏

過去のNIKEとのプロジェクトが既存モデルの再解釈だったのに対し、今回は完全新規のシルエット。デザイナーとしての頭の使い方は、どう変わったのだろうか。
「約3年前、NIKEから声をかけられたんだ。“AIR MAX 95”のコラボをやってほしいと。でも、僕らは丁寧にお断りした。“カラーや素材を変えるだけのコラボはやらない”ってね」
WU YUE氏はこう続ける。中国市場からの生の声を持つブランドとして、そしてプロダクトを知り尽くし愛する中国人クリエイターとして、「もっと良いものを提供する責任がある」と感じたのだという。

「僕は、家の中でも外でも履けるライフスタイルシューズというコンセプトをピッチしたんだ。だってNIKEは今、SALOMONのようなブランドにマーケットシェアを奪われつつある。お金を持つようになった中国の消費者は、まず日本に目を向ける。彼らが求めているのはクオリティで、良い素材の革製品を求めるようになってきているし、資産価値として残るプロダクトを買いたいと思っている」
そこでWU YUE氏は、伝説的ラインであった「NIKE CONSIDERED(00年代に存在したサスティナブルな素材とオーガニックなデザインの限定コレクション)」の復活を提案したが、答えは「NO」。「CONSIDEREDには触れられない。でも“WOVEN”なら」という条件つきでプロジェクトはスタートした。
「WOVENは、当時発売された時は本当に素晴らしいシューズだった。でも2025年に向けては、家でも履けるようなものにしたかった。同時に、タフなソールを持たせて、ハイキングにも行けるような、季節を問わず毎日履ける一足にしたいと思ったんだ。夏にも、秋にも似合う靴にね」
開発チームはNIKEのアーカイブへ。そこで見つけたのは、デザイナーがPHIL KNIGHT氏に“WOVEN”のアイデアを最初にピッチした際のサンプルシューズだったという。
そこから開発は何度も方向転換を重ねていく。当初、アッパーは全てWOVEN素材で構成する予定だったが、構造的に機能しないことが判明。レースアップ仕様への転換が決まる。「レースを採用するなら、“素早く着脱できるシステム”は絶対条件にしたかった。ハウスシューズとして使うなら、誰も紐を結びたくないからね」

最初のサンプルはタイトすぎ、WOVEN素材の厚みがデザインの意図を殺してしまっていたという。プロポーションを見直し、履き口の高さを調整した3回目のサンプルで、ようやく最終形に近づいていった。最終調整では、レースホールの数や位置を再設計してテンションを最適化。さらに、足を滑り込ませた際にタンが内側に入り込まないよう、ランニングシューズに使われるようなアナトミカルタン(解剖学的形状のシュータン)を、あえてオールドスクールなオールレザーで再現した。
「2016年⸺いや、2026年に向けて、両方の時代の感覚を成立させる必要があった。クオリティと雰囲気は“あの頃”のものを、でも機能性は完全に“今”のものを、というね」
履き口の広さはアジア人の足型、あるいは一般的に幅広の足に合わせて設計され、コルクインソールには抗菌機能を持たせた。開発途中で当初の方向性を断念したことにより、結果的にもう1ラウンド分のブラッシュアップの機会が生まれ、フロントとサイドにバンパーを配した、より頑丈な“フィールドブーツ”的な仕様へとたどり着いたという。
「行き詰まるたびに、僕はそれをチャンスに変えてきた。“履き心地はどうだ?”“ここはどうだ?”ってね。WOVENから始まって、最終的にはまったく新しい一足にたどり着いたんだ」

完全新規モデルという挑戦⸺「HOMESCAPE WOVEN」誕生の舞台裏

過去のNIKEとのプロジェクトが既存モデルの再解釈だったのに対し、今回は完全新規のシルエット。デザイナーとしての頭の使い方は、どう変わったのだろうか。
「約3年前、NIKEから声をかけられたんだ。“AIR MAX 95”のコラボをやってほしいと。でも、僕らは丁寧にお断りした。“カラーや素材を変えるだけのコラボはやらない”ってね」
WU YUE氏はこう続ける。中国市場からの生の声を持つブランドとして、そしてプロダクトを知り尽くし愛する中国人クリエイターとして、「もっと良いものを提供する責任がある」と感じたのだという。

「僕は、家の中でも外でも履けるライフスタイルシューズというコンセプトをピッチしたんだ。だってNIKEは今、SALOMONのようなブランドにマーケットシェアを奪われつつある。お金を持つようになった中国の消費者は、まず日本に目を向ける。彼らが求めているのはクオリティで、良い素材の革製品を求めるようになってきているし、資産価値として残るプロダクトを買いたいと思っている」
そこでWU YUE氏は、伝説的ラインであった「NIKE CONSIDERED(00年代に存在したサスティナブルな素材とオーガニックなデザインの限定コレクション)」の復活を提案したが、答えは「NO」。「CONSIDEREDには触れられない。でも“WOVEN”なら」という条件つきでプロジェクトはスタートした。
「WOVENは、当時発売された時は本当に素晴らしいシューズだった。でも2025年に向けては、家でも履けるようなものにしたかった。同時に、タフなソールを持たせて、ハイキングにも行けるような、季節を問わず毎日履ける一足にしたいと思ったんだ。夏にも、秋にも似合う靴にね」
開発チームはNIKEのアーカイブへ。そこで見つけたのは、デザイナーがPHIL KNIGHT氏に“WOVEN”のアイデアを最初にピッチした際のサンプルシューズだったという。
そこから開発は何度も方向転換を重ねていく。当初、アッパーは全てWOVEN素材で構成する予定だったが、構造的に機能しないことが判明。レースアップ仕様への転換が決まる。「レースを採用するなら、“素早く着脱できるシステム”は絶対条件にしたかった。ハウスシューズとして使うなら、誰も紐を結びたくないからね」

最初のサンプルはタイトすぎ、WOVEN素材の厚みがデザインの意図を殺してしまっていたという。プロポーションを見直し、履き口の高さを調整した3回目のサンプルで、ようやく最終形に近づいていった。最終調整では、レースホールの数や位置を再設計してテンションを最適化。さらに、足を滑り込ませた際にタンが内側に入り込まないよう、ランニングシューズに使われるようなアナトミカルタン(解剖学的形状のシュータン)を、あえてオールドスクールなオールレザーで再現した。
「2016年⸺いや、2026年に向けて、両方の時代の感覚を成立させる必要があった。クオリティと雰囲気は“あの頃”のものを、でも機能性は完全に“今”のものを、というね」
履き口の広さはアジア人の足型、あるいは一般的に幅広の足に合わせて設計され、コルクインソールには抗菌機能を持たせた。開発途中で当初の方向性を断念したことにより、結果的にもう1ラウンド分のブラッシュアップの機会が生まれ、フロントとサイドにバンパーを配した、より頑丈な“フィールドブーツ”的な仕様へとたどり着いたという。
「行き詰まるたびに、僕はそれをチャンスに変えてきた。“履き心地はどうだ?”“ここはどうだ?”ってね。WOVENから始まって、最終的にはまったく新しい一足にたどり着いたんだ」

名前に込めた「HOME」というメッセージ

シューズの名前にも、WU YUE氏の強いこだわりが反映されている。
「最初は“NIKE GOOD SHOE”という名前にしたかった。“良い靴ってなんだろう”という問いを込めてね。でも法務チームには却下された。じゃあ“NIKE GOOD STEP”はどうかと提案したけど、それもNG。代わりに提案されたのが“AIR WOVEN FREE SPECIAL SOULGOODS”。でも僕は“それには興味がない”と答えたんだ」
「コンセプトをピッチしたのは僕自身だ。だったら、名前だって自分で選びたい」
WU YUE氏が伝えたかったのは、アジア文化に根づく「家に上がる前に靴を脱ぐ」という感覚だったという。
「自分の靴の中で心地よくいられるなら、どこにいたってそこが“ホーム”になる。そのフィーリングをどうしても表現したかったから、“HOME”という言葉は絶対に入れたかったんだ」
NIKEの法務チームとの議論の末、たどり着いたのが「SCAPES」という言葉。これによりプロダクトの系譜(NIKEの“SCAPE”ラインの流れ)とも接続され、最終的に「HOMESCAPE」という名前が誕生した。

名前に込めた「HOME」というメッセージ

シューズの名前にも、WU YUE氏の強いこだわりが反映されている。
「最初は“NIKE GOOD SHOE”という名前にしたかった。“良い靴ってなんだろう”という問いを込めてね。でも法務チームには却下された。じゃあ“NIKE GOOD STEP”はどうかと提案したけど、それもNG。代わりに提案されたのが“AIR WOVEN FREE SPECIAL SOULGOODS”。でも僕は“それには興味がない”と答えたんだ」
「コンセプトをピッチしたのは僕自身だ。だったら、名前だって自分で選びたい」
WU YUE氏が伝えたかったのは、アジア文化に根づく「家に上がる前に靴を脱ぐ」という感覚だったという。
「自分の靴の中で心地よくいられるなら、どこにいたってそこが“ホーム”になる。そのフィーリングをどうしても表現したかったから、“HOME”という言葉は絶対に入れたかったんだ」
NIKEの法務チームとの議論の末、たどり着いたのが「SCAPES」という言葉。これによりプロダクトの系譜(NIKEの“SCAPE”ラインの流れ)とも接続され、最終的に「HOMESCAPE」という名前が誕生した。

東京、そして日本へのリスペクト

北京のストリートシーンと日本のシーン、その共通点についても尋ねた。
「世界中の誰もが、日本があらゆるカルチャーを洗練させていく姿にインスパイアされてきたと思う。アメリカーナから、レゲエ、ヒップホップまで⸺日本人が触れたものは、独自のクオリティへと磨き上げられていく。だからこそ僕らは日本を見上げてきたし、同じことを自分たちもやりたいと思っているんだ」
「今回NIKEとコラボレーションするにあたっても、僕らにも良いアイデアがある、新しい提案ができるということを見せたかった。日本と共有できる“共通言語”があるとすれば、それは“世界をもっとつなげること”だと思う。僕はこれまで日本から、アメリカから、ロンドンから、パリからインスパイアされてきた。それでもいつも日本に戻ってくる。なぜなら、日本には今も世界最高峰のものがあり続けているから」「だからこそ、今日こうして日本に来て、UNIONのみんなとこのプロジェクトを形にできること、そしてこのストーリーをここ日本で伝えられることには、本当に大きな意味があるんだ」
北京からパリへ、そしてロサンゼルス、東京、再び北京へ⸺。WU YUE氏とSOULGOODSが歩んできた10年の軌跡は、「HOMESCAPE WOVEN」という一足の中に凝縮されている。“HOME IS WHERETHE SOUL IS”という言葉が示す通り、このシューズが伝えようとしているのは、単なるプロダクトの機能性を超えた、「どこにいても自分らしくいられる」という普遍的な感覚だ。

東京、そして日本へのリスペクト

北京のストリートシーンと日本のシーン、その共通点についても尋ねた。
「世界中の誰もが、日本があらゆるカルチャーを洗練させていく姿にインスパイアされてきたと思う。アメリカーナから、レゲエ、ヒップホップまで⸺日本人が触れたものは、独自のクオリティへと磨き上げられていく。だからこそ僕らは日本を見上げてきたし、同じことを自分たちもやりたいと思っているんだ」
「今回NIKEとコラボレーションするにあたっても、僕らにも良いアイデアがある、新しい提案ができるということを見せたかった。日本と共有できる“共通言語”があるとすれば、それは“世界をもっとつなげること”だと思う。僕はこれまで日本から、アメリカから、ロンドンから、パリからインスパイアされてきた。それでもいつも日本に戻ってくる。なぜなら、日本には今も世界最高峰のものがあり続けているから」「だからこそ、今日こうして日本に来て、UNIONのみんなとこのプロジェクトを形にできること、そしてこのストーリーをここ日本で伝えられることには、本当に大きな意味があるんだ」
北京からパリへ、そしてロサンゼルス、東京、再び北京へ⸺。WU YUE氏とSOULGOODSが歩んできた10年の軌跡は、「HOMESCAPE WOVEN」という一足の中に凝縮されている。“HOME IS WHERETHE SOUL IS”という言葉が示す通り、このシューズが伝えようとしているのは、単なるプロダクトの機能性を超えた、「どこにいても自分らしくいられる」という普遍的な感覚だ。

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UNION x YUGE FABRIC FARM “RICHIE JCKET”

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NIKE HOMESCAPE WOVEN SP LAUNCHES / EVENT REPORT

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