Epi.05 NIKE INTERNATIONAL RUNNING PACK
ヴィンテージとランニング文化が共鳴し
新旧のアイコンが特殊な技法で融合する
NIKEのランニングの歴史は約50年前に始まっている。常に革新的なテクノロジーを生み出すためにアイデアを磨いてきた日々の積み重ねが、現代における厚底ブームを作り出したともいえる。私たちが日常のファッションに、そして日々のランニングに履いているNIKEのシューズがどう生まれ、進化し、その系譜を辿っていたか。Epi01から04まではその初期といえる1970年代の名品にフォーカスしてストーリーを掘り下げた、それはすべて新しい「INTERNATIONAL RUNNING PACK」の誕生のプロローグだ。Epi 05では、70年代のヴィンテージと最新のランニングシューズが融合した背景と、日本との関わりについて考察していく。
Photograph:Keita Goto[W] Text:Masayuki Ozawa Production:MANUSKRIPT
Special Thanks : Karimoku Commons Tokyo / wagetsu わ月
70年代のNIKEは、全米に湧き上がった新しいランニングのムーブメントに応えるように挑戦を繰り返し、多くのイノベーションを生み出してきた。未来を切り拓こうとした草創期の歴史が、現在もものづくりのインスピレーションであり、モチベーションであり続けている。そんな時代の熱の中で誕生した、偉大なランナーやコミュニティに愛されてきたいくつもののマスターピースと、最新のパフォーマンスシューズを融合した「NIKE INTERNATIONAL RUNNING PACK」が、日本先行でリリースされる。
ヴィンテージを愛でるカルチャーは日本から生まれたものだ。初期のNIKEにおいて、フィル・ナイトが「日本製であること」にこだわったのも偶然ではないだろう。前身でもあるBRS(ブルーリボンスポーツ)時代に、欧州のスポーツメーカーに劣らない品質と効率を求めて、日本の福岡のファクトリーと出会った。研究熱心であり、勤勉で、器用な日本のものづくりが、NIKEのアイデアを形にしてきたし、細やかな部分やクオリティに大切にする日本の文化的な気質が、コレクションのプロローグを彩っている。
本コレクションは、大胆なデザインが極限のスピードをもたらすトップランナー向けの「VAPERFLY4」をマッチング。や「ALPHAFLY3」と、ジョグとスピードの両方を高いレベルで求められる「PAGUSUS41」、そしてゆっくりと長くランを快適に楽しむことができる「VOMERO18」の4モデルに、それぞれのコンセプトが共鳴するヴィンテージのランニングシューズを重ね合わせている。革新的なプリント技術と緻密なトロンプロイユの手法により、過去と現在がグラフィカルに交差していく。
1974年、スティーブ・プリフォンテーンの金メダルを願って生まれた「PRE MONTREAL」には、日本人のシリアスランナーの着用率の高い「NIKE VAPERFLY4」をマッチング。その2年後にプリの意思、そしてシューズの哲学を継いで改良された「STING」は、ヴェイパーフライの知見を生かして生まれた「ALPHAFLY3」を融合させている。アルファに比べて設計重心がロープロファイルのヴェイパーと、スパイクシューズだった「PRE MONTREAL」に共通点を見出した選択だろう。
ロングスローディスタンス、つまりゆっくりと長く走る喜びを支える長距離ランニングシューズ「LD-1000」は、ZoomXとReactXの2層構造でシリーズ最大の厚みをもたせ、クッション性と反発性を両立させた「VOMERO18」が選ばれた。ランニングシューズにおいて最も長く続くシリーズであり、汎用性に優れた「PEGUSUS41」は、ワッフルソールという偉大な発明を応用し、レーシングシューズのスタンダードを作り上げた「WAFFLE RACER」がコンセプトに合致していたのだろう。
日本におけるランニングシューズの歴史は、アメリカと並走するように始まっている。しかしNIKEのイノベーションがストリートカルチャーの文脈で語られる転機は、1991年にはじめて東京で開催された、陸上の世界的な祭典だった。この時、NIKEは世界記録に挑むエリート集団をサポートするコミュニティ「NIKE INTERNATIONAL」を設立。新しい時代を創造する意志を示したエンブレムをまとった所属アスリートたちの来日と活躍が、NIKEをクールな存在へと押し上げてたのだ。
*このコレクションに名付けられた「INTERNATIONAL」は、その時代背景がインスピレーションにもなっている。
そして同時期、東京を席巻したヴィンテージ・ムーブメントによって、多くの若者が70年代のNIKEに羨望の眼差しを向けるようになった。ヴィンテージのジーンズにカラフルでシンプルなランニングシューズを合わせる。それは90年代を象徴するスタイルだった。そうした歴史的背景も日本先行リリースというコレクションの必要性を物語っている。新旧のNIKEがスポーツとファッションの両軸で結びつくことによって、ランニングの未来はさらに紡がれていく。
UNION RUNNING DEPT. BY NIKE
8/30 - 9/23
Air Zoom Pegasus 41 SE ¥16,300(税抜)
Vomero 18 SE ¥16,300(税抜)
ZoomX Vaporfly Next% 4 ¥28,000(税抜)
Air Zoom Alphafly Next% 3 ¥36,800(税抜)
Epi.05 NIKE INTERNATIONAL RUNNING PACK
ヴィンテージとランニング文化が共鳴し
新旧のアイコンが特殊な技法で融合する
NIKEのランニングの歴史は約50年前に始まっている。常に革新的なテクノロジーを生み出すためにアイデアを磨いてきた日々の積み重ねが、現代における厚底ブームを作り出したともいえる。私たちが日常のファッションに、そして日々のランニングに履いているNIKEのシューズがどう生まれ、進化し、その系譜を辿っていたか。Epi01から04まではその初期といえる1970年代の名品にフォーカスしてストーリーを掘り下げた、それはすべて新しい「INTERNATIONAL RUNNING PACK」の誕生のプロローグだ。Epi 05では、70年代のヴィンテージと最新のランニングシューズが融合した背景と、日本との関わりについて考察していく。
Photograph:Keita Goto[W] Text:Masayuki Ozawa Production:MANUSKRIPT
Special Thanks : Karimoku Commons Tokyo / wagetsu わ月
70年代のNIKEは、全米に湧き上がった新しいランニングのムーブメントに応えるように挑戦を繰り返し、多くのイノベーションを生み出してきた。未来を切り拓こうとした草創期の歴史が、現在もものづくりのインスピレーションであり、モチベーションであり続けている。そんな時代の熱の中で誕生した、偉大なランナーやコミュニティに愛されてきたいくつもののマスターピースと、最新のパフォーマンスシューズを融合した「NIKE INTERNATIONAL RUNNING PACK」が、日本先行でリリースされる。
ヴィンテージを愛でるカルチャーは日本から生まれたものだ。初期のNIKEにおいて、フィル・ナイトが「日本製であること」にこだわったのも偶然ではないだろう。前身でもあるBRS(ブルーリボンスポーツ)時代に、欧州のスポーツメーカーに劣らない品質と効率を求めて、日本の福岡のファクトリーと出会った。研究熱心であり、勤勉で、器用な日本のものづくりが、NIKEのアイデアを形にしてきたし、細やかな部分やクオリティに大切にする日本の文化的な気質が、コレクションのプロローグを彩っている。
本コレクションは、大胆なデザインが極限のスピードをもたらすトップランナー向けの「VAPERFLY4」をマッチング。や「ALPHAFLY3」と、ジョグとスピードの両方を高いレベルで求められる「PAGUSUS41」、そしてゆっくりと長くランを快適に楽しむことができる「VOMERO18」の4モデルに、それぞれのコンセプトが共鳴するヴィンテージのランニングシューズを重ね合わせている。革新的なプリント技術と緻密なトロンプロイユの手法により、過去と現在がグラフィカルに交差していく。
1974年、スティーブ・プリフォンテーンの金メダルを願って生まれた「PRE MONTREAL」には、日本人のシリアスランナーの着用率の高い「NIKE VAPERFLY4」をマッチング。その2年後にプリの意思、そしてシューズの哲学を継いで改良された「STING」は、ヴェイパーフライの知見を生かして生まれた「ALPHAFLY3」を融合させている。アルファに比べて設計重心がロープロファイルのヴェイパーと、スパイクシューズだった「PRE MONTREAL」に共通点を見出した選択だろう。
ロングスローディスタンス、つまりゆっくりと長く走る喜びを支える長距離ランニングシューズ「LD-1000」は、ZoomXとReactXの2層構造でシリーズ最大の厚みをもたせ、クッション性と反発性を両立させた「VOMERO18」が選ばれた。ランニングシューズにおいて最も長く続くシリーズであり、汎用性に優れた「PEGUSUS41」は、ワッフルソールという偉大な発明を応用し、レーシングシューズのスタンダードを作り上げた「WAFFLE RACER」がコンセプトに合致していたのだろう。
日本におけるランニングシューズの歴史は、アメリカと並走するように始まっている。しかしNIKEのイノベーションがストリートカルチャーの文脈で語られる転機は、1991年にはじめて東京で開催された、陸上の世界的な祭典だった。この時、NIKEは世界記録に挑むエリート集団をサポートするコミュニティ「NIKE INTERNATIONAL」を設立。新しい時代を創造する意志を示したエンブレムをまとった所属アスリートたちの来日と活躍が、NIKEをクールな存在へと押し上げてたのだ。
*このコレクションに名付けられた「INTERNATIONAL」は、その時代背景がインスピレーションにもなっている。
そして同時期、東京を席巻したヴィンテージ・ムーブメントによって、多くの若者が70年代のNIKEに羨望の眼差しを向けるようになった。ヴィンテージのジーンズにカラフルでシンプルなランニングシューズを合わせる。それは90年代を象徴するスタイルだった。そうした歴史的背景も日本先行リリースというコレクションの必要性を物語っている。新旧のNIKEがスポーツとファッションの両軸で結びつくことによって、ランニングの未来はさらに紡がれていく。
UNION RUNNING DEPT. BY NIKE
8/30 - 9/23
Air Zoom Pegasus 41 SE ¥16,300(税抜)
Vomero 18 SE ¥16,300(税抜)
ZoomX Vaporfly Next% 4 ¥28,000(税抜)
Air Zoom Alphafly Next% 3 ¥36,800(税抜)