机を埋め尽くす仕事道具から出張中のトラベルラゲージの中身まで、最前線を走るキーパーソンたちのワークツールや収集品にフォーカスし、クリエイティブに生きるためのインスピレーションを探る“Tools Tour”。
第2回は、目黒『ギャラリー月極』での個展“FAKERY”の開催が記憶に新しい気鋭のアーティスト、Ryota Daimon(@ryotadaimon)にフィーチャーする。
武蔵野美術大学出身の25歳は近年、精力的に作品を発表。本展ではシグネチャーとなったエアブラシのキャンバスアートに加えて、木製の素材に電熱ペンを使用して描くウッドバーニングや家具・洋服など、ホワイトキューブらしからぬ奥行きのある展示で、自身のアイデンティティを多角的に表現してみせた。
閉幕からまもなく、エキシビションを終えて一息つくDaimonのアトリエへ。本展の制作活動で手となり、足となったアーティスト活動の必需品のほか、収集を欠かさないアートブック類など、雑多な作業場を埋め尽くすツールを紹介してもらった。
お世辞にもミニマルやクリーンとは形容し難いですけど、いつも身近にあるアイテムを改めて俯瞰すると、このカオスさと豊かな色彩が心地いいですね。
エアブラシは、ブラシとコンプレッサーともに<AIRTEX>を愛用しています。元々は数々の工業製品を生み出してきたドイツの「Harder&steenbeck」社の代理店として設立した過去があるんですけど、<AIRTEX>も20年以上の歴史があって。僕が愛用している「APC018」は圧力コントロールに長けたモデルで、こいつは1代目。横にあるブラックボディが2代目です。
インクは、<Holbein>のACRYLIC INKという液状アクリル樹脂絵具が調子いいですね。これはアクリル絵具を水で溶いているものなので、もちろん自分でも作れるんですけど、全体のバランスが抜群にいい。厳選された顔料なので発色が綺麗だし、耐光性と耐水性も◎。水っぽすぎないけど、詰まることもないし、そのまま使えるので重宝してます。
元々はペン、絵具、スプレーで制作していて、エアブラシも持ってはいたけど、使いこなすまでには結構時間がかかりましたね。でも、2年前に『offs gallery』で開催した“ダイモン展”が転機になって、それを機に色々なものにエアブラシとの親和性を感じるようになりました。
僕は小さい頃に一眼レフで撮影した写真に感動して以来、あの奥行きやボケ感には今でも憧れを抱いています。だから、エアブラシ作品の焦点だったり奥行きのボケ感は、一眼レフの写真にインスパイアされたものです。僕の祖母が英語の先生だったので、昔使用していた教材も貴重なサンプル。他には海外のサッカーチームの昔のカタログやマッチデープログラムだったり。そこで使用されている写真の背景なんかも、大きなヒントになっています。
グラフィックをやるときのiPadには、僕のスケートコミュニティが垣間見えるステッカーを貼りまくってます。オーストラリアと神戸にルーツを持つ友人がやっている<LOLA'S HARDWARE>とか<FTC>とか。父親がサーファーだったので、家にサーフスケートがあって、小学生の頃はよく妹と遊んでいました。最近は、僕が作品を提供した<ELEMENT>と吉祥寺のローカルショップ『instant』のトリプルネームのデッキがメインになってます。
次の個展では、もっと大きなキャンバス作品を発表できたらと思っています。あとは、“FAKERY”で発表した立体作品もそうですけど、キャンバスに凹凸のある半立体のようなアートワークも作りたいですね。
そういえば、少し前にBROCKHAMPTONのKevin Abstractから「一緒に何かやろうよ」ってDMをもらったんですけど、僕が気付くのが遅くて(笑)。もしレスが来たら、何か実現したいですね!
RYOTA DAIMON @ryotadaimon
1997年東京都生まれ。東京都出身。ギャラリーでの展示やフェスやクラブなど音楽イベントでのライブペイントを中心 に活動。エアブラシや筆、マーカーを駆使したカラーセンス溢れるとポップな作風で話題に。近年では、MARC JACOBSやNIKEなどのアパレルブランドやメーカーへのグラフィック提供、WOWOWにて配信された「キャンプTV」 などのメディアのロゴ製作、さらにシンガーの加藤ミリヤやクリエイティブ集団 Ninja We Made Itのジャケットカバー ワークなどを手掛けている。アート、スケートボード、音楽、ファッションをはじめとした様々なカルチャーを横断した 活躍で注目を集めている。
机を埋め尽くす仕事道具から出張中のトラベルラゲージの中身まで、最前線を走るキーパーソンたちのワークツールや収集品にフォーカスし、クリエイティブに生きるためのインスピレーションを探る“Tools Tour”。
第2回は、目黒『ギャラリー月極』での個展“FAKERY”の開催が記憶に新しい気鋭のアーティスト、Ryota Daimon(@ryotadaimon)にフィーチャーする。
武蔵野美術大学出身の25歳は近年、精力的に作品を発表。本展ではシグネチャーとなったエアブラシのキャンバスアートに加えて、木製の素材に電熱ペンを使用して描くウッドバーニングや家具・洋服など、ホワイトキューブらしからぬ奥行きのある展示で、自身のアイデンティティを多角的に表現してみせた。
閉幕からまもなく、エキシビションを終えて一息つくDaimonのアトリエへ。本展の制作活動で手となり、足となったアーティスト活動の必需品のほか、収集を欠かさないアートブック類など、雑多な作業場を埋め尽くすツールを紹介してもらった。
お世辞にもミニマルやクリーンとは形容し難いですけど、いつも身近にあるアイテムを改めて俯瞰すると、このカオスさと豊かな色彩が心地いいですね。
エアブラシは、ブラシとコンプレッサーともに<AIRTEX>を愛用しています。元々は数々の工業製品を生み出してきたドイツの「Harder&steenbeck」社の代理店として設立した過去があるんですけど、<AIRTEX>も20年以上の歴史があって。僕が愛用している「APC018」は圧力コントロールに長けたモデルで、こいつは1代目。横にあるブラックボディが2代目です。
インクは、<Holbein>のACRYLIC INKという液状アクリル樹脂絵具が調子いいですね。これはアクリル絵具を水で溶いているものなので、もちろん自分でも作れるんですけど、全体のバランスが抜群にいい。厳選された顔料なので発色が綺麗だし、耐光性と耐水性も◎。水っぽすぎないけど、詰まることもないし、そのまま使えるので重宝してます。
元々はペン、絵具、スプレーで制作していて、エアブラシも持ってはいたけど、使いこなすまでには結構時間がかかりましたね。でも、2年前に『offs gallery』で開催した“ダイモン展”が転機になって、それを機に色々なものにエアブラシとの親和性を感じるようになりました。
僕は小さい頃に一眼レフで撮影した写真に感動して以来、あの奥行きやボケ感には今でも憧れを抱いています。だから、エアブラシ作品の焦点だったり奥行きのボケ感は、一眼レフの写真にインスパイアされたものです。僕の祖母が英語の先生だったので、昔使用していた教材も貴重なサンプル。他には海外のサッカーチームの昔のカタログやマッチデープログラムだったり。そこで使用されている写真の背景なんかも、大きなヒントになっています。
グラフィックをやるときのiPadには、僕のスケートコミュニティが垣間見えるステッカーを貼りまくってます。オーストラリアと神戸にルーツを持つ友人がやっている<LOLA'S HARDWARE>とか<FTC>とか。父親がサーファーだったので、家にサーフスケートがあって、小学生の頃はよく妹と遊んでいました。最近は、僕が作品を提供した<ELEMENT>と吉祥寺のローカルショップ『instant』のトリプルネームのデッキがメインになってます。
次の個展では、もっと大きなキャンバス作品を発表できたらと思っています。あとは、“FAKERY”で発表した立体作品もそうですけど、キャンバスに凹凸のある半立体のようなアートワークも作りたいですね。
そういえば、少し前にBROCKHAMPTONのKevin Abstractから「一緒に何かやろうよ」ってDMをもらったんですけど、僕が気付くのが遅くて(笑)。もしレスが来たら、何か実現したいですね!
RYOTA DAIMON @ryotadaimon
1997年東京都生まれ。東京都出身。ギャラリーでの展示やフェスやクラブなど音楽イベントでのライブペイントを中心 に活動。エアブラシや筆、マーカーを駆使したカラーセンス溢れるとポップな作風で話題に。近年では、MARC JACOBSやNIKEなどのアパレルブランドやメーカーへのグラフィック提供、WOWOWにて配信された「キャンプTV」 などのメディアのロゴ製作、さらにシンガーの加藤ミリヤやクリエイティブ集団 Ninja We Made Itのジャケットカバー ワークなどを手掛けている。アート、スケートボード、音楽、ファッションをはじめとした様々なカルチャーを横断した 活躍で注目を集めている。